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土屋 勝彦; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; et al.
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1599 - 1605, 2006/02
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Nuclear Science & Technology)JT-60定常高ベータ装置(トカマク国内重点化装置)は、経済的な核融合炉の実現を目指した定常高ベータプラズマ運転の実証が重要なミッションの一つである。現在、プラズマ形状及びアスペクト比について広いパラメータ領域で研究を行えるように、装置の物理的・技術的設計検討を進めている。本装置の目標とする高ベータプラズマは、自由境界MHD安定性限界を超えた領域にあるため、電子サイクロトロン加熱による新古典テアリングモードの抑制に加えて、安定化板及び容器内コイルを用いた壁不安定性モードの抑制など、さまざまなMHD不安定性の制御手法を駆使する必要がある。それらを踏まえて、今回は、高ベータと臨界条件クラスのプラズマを同時に達成できるプラズマパラメータの解析評価、及び自由境界MHD安定性限界を超えた高ベータプラズマの非誘導電流駆動制御シナリオの検討結果について報告する。また、広いパラメータ領域で定常高ベータプラズマ運転を実現させるための装置設計の現状に関して、超伝導コイル及び放射線遮へい材を中心に報告する。
牛込 雅裕*; 井手 俊介; 伊藤 智之*; 上瀧 恵里子*; 御手洗 修*; 白岩 俊一*; 鈴木 隆博; 高瀬 雄一*; 田中 茂利*; 藤田 隆明; et al.
Nuclear Fusion, 46(2), p.207 - 213, 2006/02
被引用回数:11 パーセンタイル:37.01(Physics, Fluids & Plasmas)中心ソレノイド(CS)を全く用いない、トカマクプラズマの立ち上げに関する研究成果についての論文。JT-60トカマクにおいて、完全CS無しの状態でヌル点が存在しない場合でも電子サイクロトロン波(ECRF)入射と外部ポロイダルコイルの電流変化で100kAのプラズマ電流(Ip)が立ち上がることを実証した。立ち上げに必要な条件(ECRFパワー,トロイダル磁場等)を明らかにした。また、CSをほとんど用いない状態で中性粒子ビーム(NB)のみによりIp=260kAを1秒維持することに功した。さらに同様の条件で、ECRFとNBのみでIpを215kAから310kAへランプアップさせることに成功した。高閉込め負磁気シア放電において、自発電流によるオーバードライブを示す結果を得た。
坂本 宜照; 藤田 隆明; 井手 俊介; 諫山 明彦; 武智 学; 鈴木 隆博; 竹永 秀信; 大山 直幸; 鎌田 裕; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 45(7), p.574 - 580, 2005/07
被引用回数:41 パーセンタイル:76.9(Physics, Fluids & Plasmas)高自発電流割合を持つプラズマの長時間維持に関する実験結果について報告する。まず弱磁気シアHモードプラズマでは、自発電流割合45%を電流拡散時間よりも長い5.8秒間維持することに成功した。電流分布を最適化することにより、新古典テアリング不安定性を抑制したことが長時間維持の成果に繋がった。またこの放電は、ITER定常運転シナリオに必要な大部分の要素を同時に達している。次に負磁気シアHモードプラズマにおいて自発電流割合75%を電流拡散時間より長い7.4秒間維持することに成功した。維持時間は高パワーNB入射時間で制限されている。また非常に高い閉じ込め改善度(3.0)が得られており、非誘導電流駆動割合も90%以上に達している。電流分布と圧力分布の時間発展から準定常状態に到達している。
白岩 俊一*; 井手 俊介; 伊藤 智之*; 御手洗 修*; 内藤 磨; 小関 隆久; 坂本 宜照; 鈴木 隆博; 高瀬 雄一*; 田中 茂利*; et al.
Physical Review Letters, 92(3), p.035001_1 - 035001_4, 2004/01
被引用回数:46 パーセンタイル:82.94(Physics, Multidisciplinary)JT-60Uにおいて、電子サイクロトロン波/低域混成派及び位置制御コイルを使うことにより中心ソレノイドをほとんど用いずにプラズマ電流を立ち上げることに成功した。これにより、自発電流割合約90%の高閉込め先進トカマクプラズマを得ることができた。
福田 武司; JT-60チーム
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(12B), p.B39 - B52, 2002/12
被引用回数:7 パーセンタイル:24.31(Physics, Fluids & Plasmas)ITERの先進定常運転で高い予測性能を実現するため、JT-60における最近の実験では高い閉じ込め性能と定常運転に対して優れた適合性を示す内部輸送障壁の研究を重点的に進めてきた。負磁気シア放電では電子サイクロトロン波電流駆動と蓄積エネルギーの実時間帰還制御(自発電流分布の制御につながる)を組合せてDT換算で約0.8のエネルギー増倍率を0.55秒間維持することに成功した。一方、高プラズマ電流の領域におけるプラズマ断面の三角形度を従来より高くすることにより、高密度領域における閉じ込め性能を顕著に改善するとともに、弱磁気シア放電で規格化値2.5を7秒間維持した。また、最高5.7MWの負イオン源中性粒子加熱装置を用いて1.8MAの非誘導電流駆動に成功した。その他、内部輸送障壁を有する高性能プラズマにおける不純物の輸送,外部摂動を利用した内部輸送障壁の制御性について述べる。
藤田 隆明; 鎌田 裕; 井手 俊介; 竹治 智; 坂本 宜照; 諫山 明彦; 鈴木 隆博; 及川 聡洋; 福田 武司; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 42(2), p.180 - 186, 2002/02
被引用回数:31 パーセンタイル:68.29(Physics, Fluids & Plasmas)強力な内部輸送障壁の形成により高い閉じ込め性能を発揮するJT-60の負磁気シア放電の長時間維持の実験の結果を報告する。高電流のLモード境界の放電においては、蓄積エネルギーの帰還制御を用いてプラズマの値を精密に調整することにより、等価エネルギー増倍率=0.5を0.8秒間(エネルギー閉じ込め時間と同程度)維持した。高三角度のELMy Hモード境界の負磁気シア放電においては、ポロイダルを上昇し自発電流率を向上することにより負磁気シア領域の縮小を抑制し、高閉じ込めの準定常維持を実現した。高安全係数領域にて自発電流率80%を得て、完全非誘導電流駆動を達成した。規格化値2,閉じ込め改善度3.5を2.7秒間(エネルギー閉込め時間の約6倍)維持した。
河野 康則; 草間 義紀
原子力eye, 47(11), p.29 - 33, 2001/11
太陽を含め宇宙に存在する恒星の輝きが核融合反応で発生したエネルギーによるものであることは良く知られており、同様の核融合反応をもとにしたエネルギー源を地上で実現するための研究開発が進められてきた。この中で、日本原子力研究所の臨界プラズマ試験装置JT-60は、世界の核融合研究をリードする多くの研究成果を挙げ、国際熱核融合実験炉(ITER)計画の推進に大きく貢献している。本稿では、これまでの核融合研究の流れを概観するとともに、ITERの定常運転の実現性を高めたJT-60の最近の成果について紹介する。
藤田 隆明; 井手 俊介; 鎌田 裕; 鈴木 隆博; 及川 聡洋; 竹治 智; 坂本 宜照; 小出 芳彦; 諫山 明彦; 波多江 仰紀; et al.
Physical Review Letters, 87(8), p.085001_1 - 085001_4, 2001/08
被引用回数:179 パーセンタイル:95.95(Physics, Multidisciplinary)JT-60Uトカマクにおいて、80%に及ぶ高い自発電流割合を有する準定常負磁気シアプラズマが初めて得られた。内部輸送障壁領域にピークを持つ自発電流によって負磁気シア領域の時間的縮小が抑制され、大きな半径の内部輸送障壁が維持された。Hモードによる境界輸送障壁の重畳によりHモードスケーリングの2.2倍に達する高い閉じ込め性能がエネルギー閉じ込め時間の6倍(2.7秒間)維持された。さらに、ビーム駆動電流と自発電流によって完全非誘導電流駆動が得られた。
西尾 敏; 牛草 健吉; 植田 脩三; Polevoi, A.*; 栗田 源一; 飛田 健次; 栗原 良一; Hu, G.; 岡田 英俊*; 村上 好樹*; et al.
JAERI-Research 2000-029, 105 Pages, 2000/10
本論文は、定常トカマク核融合原型炉SSTR、コンパクトで高出力の改良型定常トカマク動力炉A-SSTR及び環境適合性を高め稼働率向上を目指した大型核融合動力炉DREAM等の設計をベースに、高い経済性、稼働率を有し環境適合性に優れた小型で大出力の高効率核融合動力炉A-SSTR2のプラズマ物理の成立性を論じたものである。JT-60で得られている実験データをもとにこれからの炉心プラズマ研究の進展を予測して、主半径6.2m、小半径1.5mでプラズマ電流が12MAの高磁場トカマクとし、規格化値4で4GWの核融合出力とした。超伝導コイルは高温超伝導を用いた高磁場コイルとし、最大経験磁場を23Tとした。超伝導マグネット系の簡素化及び強い電磁力支持の観点から、中心ソレノイドコイル無しの設計とするとともに、分解・保守用大型水平ポートを想定して、ポロイダル磁場コイルを装置の上下に6個の設置することとした。このような著しく簡素化されたコイル系で、プラズマの平衡、形状制御性、着火、12MAまでの非誘導電流駆動立ち上げ、ダイバータを検討し、A-SSTR2概念の成立性が明らかにされている。
逆井 章; JT-60チーム
Proceedings of 17th IEEE/NPSS Symposium Fusion Engineering (SOFE'97), 1, p.18 - 25, 1998/00
JT-60Uでは定常トカマク炉の物理基礎の確立及びITER物理R&Dへの貢献を目的として、閉じ込め向上、放射冷却ダイバータ、非誘導電流駆動を中心に研究を進めている。高放電の性能向上により高いブートストラップ電流を誘起し、効果的な定常運転が可能となった。負磁気配位は急勾配な圧力分布に起因する高いブートストラップ電流を産み出すため、先進的定常運転シナリオとして注目される。負磁気シア放電の定常化の課題は崩壊の回避とMHD安定化の描像を明らかにすることである。負イオン源NB入射による電流駆動実験を行い、高い電流駆動効率を得ると共に、完全電流駆動での定常運転を目指す。1997年2月から5月にかけてW型ポンプ付ダイバータへの改造工事を行い、6月から放射冷却ダイバータと高閉じ込め性能との両立を図る実験を行っている。ダイバータ排気により密度制御性能及びダイバータの放射損失を増大させた。
小出 芳彦; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 4(5), p.1623 - 1631, 1997/05
被引用回数:76 パーセンタイル:90.05(Physics, Fluids & Plasmas)高効率の定常トカマク炉を実現するためには、高温・高密度プラズマを非誘導電流駆動を安定に定常保持するとともにダイバーターとの整合性を確保する必要がある。本論文では、このような高性能プラズマ達成に向けたJT-60Uの最新成果を述べる。主な成果を以下に列挙する。(1)炉心級プラズマの電流駆動・電流分布制御に不可欠である負イオン源中性粒子ビームの入射に世界で初めて成功した(1.2MW/350keV)。(2)負磁気シアー放電にて、エネルギー閉込め時間1.06秒・等価核融合増倍率0.73に達する高性能プラズマを生成した。更に、この高性能プラズマにNeガスを注入することにより、ダイバータの熱負荷を低減できる可能性を見い出した。(3)プラズマ形状の三角形度を増加させることにより圧力限界が改善することを見い出し、ブートストラップ電流とビーム電流による非誘導完全電流駆動状態を2秒間維持した。
木村 晴行; 三枝 幹雄; 近藤 貴; 小関 隆久; 森山 伸一; 藤井 常幸
プラズマ・核融合学会誌, 71(11), p.1147 - 1164, 1995/11
JT-60Uにおいてトロイダルアルヴェン固有(TAE)モードの研究がITER対応の条件、即ち4MAまでの高プラズマ電流(Ip)、2.8までの低安全係数にて、第2高調波少数イオンICRF加熱を用いて行われている。Ipの増大とともに、より高いトロイダルモード数が現れる。TAEモードによるMeVイオンの減少はTAEモードの振幅に比例する。しかし高電子密度ではTAEモードの振幅は依然大きいもののMeVイオンの減少は重要ではなくなる。TAEモードの制御に非誘導電流駆動による電流分布制御が有効であることが示される。
井手 俊介; 内藤 磨; 近藤 貴; 藤田 隆明; 松岡 守*; 池田 佳隆; 牛草 健吉; JT-60チーム
IAEA-CN-60/A5-4, 0, p.641 - 650, 1995/00
定常核融合炉におけるプラズマの保持及びその性能の改善のために、非誘導的にプラズマ電流分布を制御する事は非常に重要であると考えられている。本論文ではこのような定常化研究のためにJT-60U装置で行われている電流分布制御実験について報告する。主な成果は、1)中性粒子ビーム(NB)による分布制御実験:NBを用いて電流分布を制御できることを実験で明らかに示した。また同時にプラズマ回転の制御も行える事も示した。2)低域混成波(LHW)による分布制御実験:LHWによる電流分布制御は従来から良い結果を出して来たが、今回波の波数スペクトルを組み合わせることによりさらに効率良い制御が行えることを示した。
森 雅博; JT-60チーム
Plasma Physics and Controlled Fusion, 36(SUPPL 12B), p.B181 - B191, 1994/12
被引用回数:4 パーセンタイル:20.51(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uでは、高閉じ込め状態を定常維持する制御技術の開発・実証を目的として実験研究を進めている。閉じ込め性能の改善に関しては、プラズマ内部で閉じ込め改善のある高モードと周辺部で改善のあるHモードを重畳して、プラズマ全体にわたって閉じ込め改善がある高Hモードを実現し、世界最高の核融合積を達成した。本発表では、この高Hモードの閉じ込め改善機構に関する最近の研究進展、このモードの制御法、ELMを利用した密度制御の最適化による定常運転に関する成果、核融合炉で問題となるHe灰の制御性、Hモードとの関係等について報告する。このような高閉じ込め状態を定常維持するためには、非誘導電流駆動による電流分布の定常制御、放射冷却ダイバータによる熱制御、粒子制御が重要であり、この研究に関する最近の成果を報告する。合わせて、今後の研究計画の紹介を行なう。
鎌田 裕; 牛草 健吉; 内藤 磨; 閨谷 譲; 小関 隆久; 飛田 健次; 石田 真一; 芳野 隆治; 菊池 満; 森 雅博; et al.
Nuclear Fusion, 34(12), p.1605 - 1618, 1994/00
被引用回数:48 パーセンタイル:79.75(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいて、電流分布のピーク化及び圧力分布の平坦化により、ベータ限界が大幅に上昇した。さらに、定常化性能を向上することに成功し、ELMのある準定常Hモードにて、~2.5-3、~2.5-3.1、H-factor~1.8-2.2を得た。この状態は、約1秒間続き、この間、ブートストラップ電流(60%)とNB駆動電流(40%)の完全電流駆動を達成した。この時プラズマ電流0.5MA、トロイダル磁場1.5Tである。
宮 直之; 中島 信治*; 牛草 健吉; 及川 晃; 今井 剛; 豊島 昇; 西谷 健夫; 松崎 誼; 栗山 正明; 永見 正幸
JAERI-M 92-140, 156 Pages, 1992/09
JT-60の高性化計画に続く計画として、炉心模擬装置を想定し、その概念検討を行った結果をまとめたものである。トカマク定常化に関する物理・工学の研究開発を炉心模擬実験の主要課題とした。この研究開発を進めるため、超電導コイルを用い、プラズマ電流10MA以上で長パルス運転を行う装置について検討した。特に、JT-60の現有施設・設備環境での装置の成立性を主な課題として概念検討を実施した。検討の結果装置が成立するおよその見通しが得られた。また今後の必要となる主な検討課題について明らかにした。
森 雅博; 木村 晴行; 田中 茂
核融合研究, 63(3), p.161 - 176, 1990/03
ITERおよびFERを例に、実験炉における非誘導電流駆動システムに考え方、設計例を解説する。
上原 和也; 内藤 磨; 関 正美; 星野 克道
Physical Review Letters, 64(7), p.757 - 760, 1990/02
被引用回数:4 パーセンタイル:46.26(Physics, Multidisciplinary)磁気核融合装置に於けるプラズマ輸送の簡単な物理的描像は加熱パワーの印加によってもたらされるエネルギー閉じ込め時間の劣化と、プラズマ電流の印加によってもたらされる閉じ込め時間の改善について確かな情報を与えてくれる。前者はボーム的拡散に依るものであり、後者はZピンチャ特性と放射損失の増加によるプラズマへの消香パワーの減少に依るものであることが示されている。非誘導電流駆動を含むプラズマ電流を流すことによるプラズマへの運動量入射は、加熱によって引き起こされた閉じ込め時間の減少を補償している。
B.B.Kadomtsev*; F.S.Troyon*; M.L.Watkins*; P.H.Rutherford*; 吉川 允二; V.S.Mukhovatov*
Nuclear Fusion, 30(9), p.1675 - 1694, 1990/00
被引用回数:18 パーセンタイル:56.83(Physics, Fluids & Plasmas)1986年にトカマクの概念が広く認められて以来、熱核融合炉の炉心開発に向けて順調に研究が進められて来た。本論文はトカマク研究の現状をまとめたものである。特に以下の物理課題に焦点をあてている。プラズマ電流、密度及び圧力の運転可能領域;プラズマの巨視的挙動と緩和過程;プラズマ加熱の原理と技術;巨視的及び局所的なプラズマ閉じ込め特性と各種の閉じ込め改善状態;燃料補給、不純物制御と排気に関する展望;各種の非揺動電流駆動方法の性能。